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1.キャリアアップ助成金(正社員化コース)
当事務所が本助成金をお勧めする意図は、簡単に言ってしまえば「人材を確保しておくため」に尽きます。実は、助成金の大きな柱として「雇用関係の助成金」、「労働条件等関係助成金」、「働き方改革助成金」と3つございますが、今回当事務所が本ページでお勧めしている助成金はこの「雇用関係の助成金」となります。主旨は上述した通りですが、繰り返しになりますが業界によっては現在非常に人材の確保が難しなっており(製造業や飲食業界は特に深刻)、先にお勧めした人材確保等支援助成金と同様に活用できる助成金なのではないかと当事務所は考えます。
今年の改正で有期社員→無期社員の無期転換ルールが廃止になったり等助成条件は狭まりました。
但しですが、ご存じのように労働契約法で有期契約社員(パートタイマ―や嘱託社員)は5年間雇用契約を続けた場合、無期転換権が発生します。もちろん無期契約社員にするのも思い切ってこの段階で正社員にするのも企業の判断次第ですが、5年も働いた社員はまぁ通常業務にも熟知している方が多いですし、正社員以上に業務能力が高い方も多くいらっしゃいます。そのため、本人のご意向やワークライフもあろうかと思いますが、労使双方で合意が取れるようであれば折角ならこの「正社員化コース」を検討されるのも一つの手ではないかと当事務所は考えます。
ちなみに、このキャリアップ助成金はまず活用前に就業規則の改定そして各コース実施日の前日までに「キャリアアップ計画」の作成及び提出が必要となりますので、もしご検討されたいということであれば早めに当事務所にご相談頂くことをお勧めします。
※詳細については、以下参照
https://chiba-sharoshi.com/kyariaappu_seishainka/
2.人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
今回お勧めを選ぶ順で非常に悩んだのですが、やはりこれかなと思います。
助成名の通りですが、厚労省からの文章を引用すると「外国人労働者外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を行い、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主に対して、その経費の一部を助成するものです。」と記載がございます。
具体的には、母国語の就業規則や雇用管理者や業務マニュアルなんかを整備すれば受給できる助成金ですし、少子高齢化が進む日本の雇用情勢を考えると今後ますます外国人労働者は増やしていかなくてはならないのではないでしょうか。
但しですが、ズバリハードルは高いです!
そもそもこの人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、日本国内で外国人労働者を採用し、その就労環境を改善するための助成金制度です。労働力不足の中で外国人労働者を有効に活用するために、労働条件や就労環境を整備することを支援することを目的としています。
逆を申せばその”外国人特有の事情”とか言語とか理解していないと(つまり文化の違いとか)何が高いかというと安易な気持ちで臨むと後で色々トラブルになります。
そのため正確に調べたわけではないですが、恐らくこれを専門に受託する社労士も少ないのではないかと思いますが、当事務所の社労士はプロフィールでも記載したようにグローバル企業での経験を活かし、その辺はサポートしますので、就業規則の改定等はもとより(英語にてドラフトします。)、マニュアル等の整備及び実施後外国人への「周知」もお手伝い致します。
優秀な外国人労働者の採用等ご検討されている会社についてはぜひ一度当事務所にご相談頂ければ幸いです。
※英語についてのご案内になりますが、ある程度英語は多くの国でビジネスの標準語になっておりますので結構通用するかと思います。
※詳細については、以下参照
https://chiba-sharoshi.com/jinzaikakuho_gaikokujin/
3.両立支援等助成金
両立支援等助成金」は、働きながら育児や介護などの両立を支援するための助成金制度です。主に次のような会社や事業所にお勧めです。
- 中小企業や地域密着型の事業所: 大手企業ほど大規模な福祉施設や制度を整えることができるわけではない中小企業や地域密着型の事業所にとって、従業員の仕事と家庭の両立支援が重要です。この助成金は、こうした企業や事業所が両立支援を強化する一助となります。
- 女性従業員が多い企業: 女性が多く働く企業や事業所では、出産や育児、介護などの状況が起こりやすく、仕事との両立が課題となることがあります。この助成金は、女性従業員の活躍を支援しながら、効果的な人材確保を図るための手段として活用できます。
- 働き方改革に積極的な企業: 「両立支援等助成金」は、働き方改革においても重要な役割を果たす制度です。柔軟な労働時間の導入やテレワークの推進など、働き方を変革する取り組みと連携して活用することで、従業員の働きやすさと生産性向上の両方を実現できます。
- 人材確保が難しい業種: 人手不足が顕著な業種や職種において、従業員の働きやすさや魅力を高めるための取り組みが必要です。この助成金を活用して、育児や介護の両立支援を強化することで、人材の確保や定着を促進できます。
- 多様性を尊重する企業: 多様性を尊重し、様々なバックグラウンドを持つ従業員のニーズに応える企業は、両立支援が不可欠です。異なる状況に対応する柔軟な支援体制を整えることで、多様な人材を受け入れる環境を構築できます。
「両立支援等助成金」は、働く従業員の多様なニーズに対応し、仕事と生活の両立を支援するための重要な手段です。特に上記のような特性を持つ企業や事業所において、助成金を活用して両立支援を推進することで、従業員のワークライフバランスの向上や人材の確保に貢献できるでしょう。
4.雇用調整助成金
雇用調整助成金は、経済的な困難によって一時的に労働時間を短縮し、それに伴う賃金の減少が必要な場合に、企業が従業員の雇用を維持しながら困難な状況を乗り越えるための支援制度です。主に以下のような場合に活用されます。
- 景気変動による需要減少: 企業が経済的な変動によって需要が一時的に減少し、従業員の労働時間を調整する必要が生じる場合に利用されます。
- 災害などの非常事態: 自然災害や突発的な状況により、企業の運営に支障が生じ、一時的な雇用調整が必要となる場合にも活用されます。
この助成金は、労働時間の短縮に伴う賃金の減少分を、国が一定の割合で補填するものです。具体的な概要は次の通りです。
- 助成対象:
- 事業主(企業・団体・自治体など)が労働基準法上の労働者を雇用している場合に対象となります。
- 助成期間:
- 原則として1日から最長180日までの助成期間が設定されています。ただし、特別な事情がある場合は最長240日まで延長できる場合もあります。
- 助成額:
- 労働時間の短縮分に応じて、減少した賃金の一部を助成します。具体的な助成額は、労働時間短縮分に応じて一律で決定されます。
- 申請・手続き:
- 助成金の申請には、労働基準監督署または都道府県労働局への提出が必要です。労働基準監督署または都道府県労働局が審査し、適切と認められると助成金が支給されます。
雇用調整助成金は、企業が一時的な困難を乗り越えつつ従業員の雇用を維持するための大切な手段です。ただし、助成の対象条件や手続きには細かなルールが存在するため、申請に際しては正確な情報や適切な手続きが求められます。特に新型コロナの影響により、2020年~2022年まで雇用調整助成金の特例措置としての新型コロナ特例の申請が、手続きや添付書類の簡略化も後押しして1次爆発的に増大しました。そのため、不正受給が横行し、テレビやラジオで多々報道があったので、その不正受給に加担した社労士も多く輩出しました。
いずれにせよ、本手続きは現在厳格化されているのでもしどうしてもこの雇調金の助成を検討されているのであれば、私共事務所にぜひご相談ください。
新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例 について ※2022年9月30日受付を終了しております。
5.トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、雇用を希望する求職者と企業との間で、雇用の実態を試すことを目的として設けられた助成金です。以下に概要とその目的を詳しく説明します。
概要: トライアル雇用助成金は、雇用を希望する人材と企業との間で「試用期間」を設けることで、雇用の適性や相性を確認し、その後の雇用につなげることを支援するための助成金制度です。この制度は、雇用の不安要素を軽減し、双方の信頼関係を築く手段として有効です。
目的:
- 雇用の安定: 求職者にとっては、試用期間中に実際の職場環境に慣れ、自身の適性やスキルを確認できる機会を提供します。一方で企業にとっても、実際の仕事への適性やモチベーションを評価する機会となり、採用の成功率を高めることができます。
- 採用効果の最大化: 企業が新たな人材を雇用する際、採用後の適性や相性が不透明な場合があります。トライアル雇用助成金を活用することで、企業は実際の業務遂行能力やチームとの適切な調和を評価し、長期的な雇用に繋げることができます。
- 雇用の促進: 雇用の不安要素を軽減することで、求職者にとっても雇用のハードルを下げることができます。特に転職や再雇用を考える人々にとって、トライアル雇用は新たなステップへのチャンスとなります。
- 助成金の活用: 企業にとっては、トライアル雇用助成金を利用することで、一定期間の雇用に対して一定額の助成金を受け取ることができます。これにより、労働力を試す一方で、コストを節約することも可能です。
総じて、トライアル雇用助成金の目的は、求職者と企業の双方にメリットをもたらし、雇用の安定と効果的な採用プロセスを支援することにあります。