助成金と一口にいっても、その種類は非常に多く、ご相談をお受けした会社でも、その会社の実態をチェックして診断してみると意外と複数の助成金の要件に該当しているケースがありました。
以下のチェックリストをご参照して頂き、どの助成金が会社の実態に合っているかチェックしてみてください。
1.雇用関係の助成金
① 経営が悪化する中で、休業や教育訓練、出向を通じて労働者の雇用を維持する
→ 雇用調整助成金
※現在雇用調整助成金(新型コロナウィルス感染症に伴る特例)が雇用調整助成金の特例として実施されております。助成要件もかなり緩和されております。
② 離職する労働者の再就職支援を行う
→(再就職支援を民間職業紹介事業者に委託等しておこう)
労働移動支援助成金(Ⅰ再就職支援コース)
→(早期に雇入れる)
労働移動支援助成金(Ⅱ早期雇入れコース)
③ 中途採用する
→(中途採用を拡大する)
中途採用等支援助成金(Ⅰ中途採用拡大コース)
→(東京圏からの移住者を雇入れる)
中途採用等支援助成金(ⅡUIJターンコース)
④ 企業により中高年労働者等を雇入れる
→ 中途採用等支援助成金(Ⅲ生涯現役起業支援コース)
⑤ 新たに継続して雇用する労働者を雇入れる
→(母子家庭)
特定求職者雇用開発助成金(Ⅰ特定就職困難者コース)
→(高年齢者(60~64歳))
特定求職者雇用開発助成金(Ⅰ特定就職困難者コース)
→(高年齢者(65歳以上))
特定求職者雇用開発助成金(Ⅱ特定就職困難者コース)
→(被災離職者等)
特定求職者雇用開発助成金(Ⅲ被災者雇用開発コース)
→(身体障害者・知的障碍者・精神障害者)
特定求職者雇用開発助成金(Ⅰ特定就職困難者コース)
→(身体障害者・知的障碍者・精神障害者)
※中小事業主が障害者をはじめて雇入れた場合
特定求職者雇用開発助成金(Ⅵ障害者初雇用コース)
→(発達障害者・難治性疾患者)
特定求職者雇用開発助成金(Ⅳ発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)
→(正規雇用の機会を逃した新卒者)
特定求職者雇用開発助成金(Ⅶ就職氷河期世代安定雇用実現コース)
→(自治体からハローワークに就職支援の要請があった生活保護受給者等)
特定求職者雇用開発助成金(Ⅷ生活保護受給者等雇用開発コース)
→(学校等の既卒者・中途者)
特定求職者雇用開発助成金(Ⅴ三年以内既卒者等採用コース)
→(一定期間試行的に雇入れる)
※安定就業を希望する未経験者等
トライアル雇用助成金(Ⅰ特定就職困難者コース)
→(一定期間試行的に雇入れる)
※障害者
トライアル雇用助成金(Ⅱ障害者トライアルコース)
→(一定期間試行的に雇入れる)
※短時間労働の精神障害者、発達障害者
トライアル雇用助成金(Ⅲ障害者短時間トライアルコース)
→(一定期間試行的に雇入れる)
※若年者または助成を建設技能労働者等として雇入れる(建設業の中小事業主が対象)
トライアル雇用助成金(Ⅳ若年・女性建設労働者トライアルコース)
→(雇用情勢が特に厳しい地域等に居住する地域求職者等を雇入れる)
地域雇用開発助成金(Ⅰ地域雇用開発コース)
地域雇用開発助成金(Ⅱ沖縄若年者雇用促進コース)
⑥ 労働者の雇用環境の整備を図る
→(雇用管理制度(評価・処遇制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度)の導入を通じて従業員の離職率の低下を図る)
※短時間正社員のみ保育事業主が対象
人材確保等支援助成金(Ⅰ雇用管理制度助成コース)
→(介護労働者に対して介護福祉機器の導入を通じて従業員の離職率の低下を図る)
※介護事業主が対象
人材確保等支援助成金(Ⅱ介護福祉機器助成コース)
→(介護労働者または保育労働者に対して賃金制度の整備を通じて従業員の離職率の低下を図る)
※介護事業主または保育事業主が対象
人材確保等支援助成金(Ⅲ介護・保育労働者雇用管理制度助成コース)
→(人材確保や労働者の職場定着を支援するための事業を実施する)
※都道府県知事に改善計画の認定を受けた事業主団体が対象
人材確保等支援助成金(Ⅳ中小事業団体助成コース)
→(生産性向上に資する人事評価制度と賃金制度を整備することを通じて、生産性向上、賃金アップ及び離職率の低下を図る)
人材確保等支援助成金(Ⅴ人事評価改善等助成コース)
→(生産性向上に資する設備等を導入する事により、雇用管理改善(賃金アップ等)と生産性向上を図る)
人材確保等支援助成金(Ⅵ設備改善等支援コース)
→(働き方改革のために人材を確保することが必要な中小企業が、新たに労働者を雇い入れ、一定の雇用管理改善を図る)
人材確保等支援助成金(Ⅶ働き方改革支援コース)
→((建設労働者について)雇用管理改善制度の導入・実施を通じて従業員の入職率目標を達成する)
※主に建設業の中小事業主が対象
人材確保等支援助成金(Ⅷ雇用管理制度助成コース(建設分野))
→((建設労働者について)若年及び女性労働者の入職や定着を図ることを目的とした事業を実施する)
※主に建設業の事業主または事業主団体が対象
人材確保等支援助成金(Ⅸ若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野))
→((建設労働者について)自ら施工管理する建設工事現場での女性専用作業員施設の賃借を実施する)
※主に建設業の元方の中小事業主
人材確保等支援助成金(Ⅹ作業員宿舎等設置助成コース(建設分野))
→((季節労働者について)通年雇用をする)
※主に積雪寒冷地域の林業・建設業・水産食料品製造業等が対象
通年雇用助成金
→((外国人労働者について)母国語で作成された就業規則、雇用契約書等を整備)
人材確保等支援助成金(Ⅺ外国人労働者就労環境整備助成コース)
→((高年齢者について)65歳以上へ定年引上げ等を実施する)
65歳超雇用推進助成金(Ⅰ65歳超継続雇用促進コース)
→((高年齢者について)高年齢者の雇用管理制度を整備する)
65歳超雇用推進助成金(Ⅱ高年齢者評価制度等雇用管理改善コース)
→((高年齢者について)無期雇用への転換を実施する)
65歳超雇用推進助成金(Ⅲ高年齢者無期雇用転換コース)
→((有期契約労働者等(契約社員・パート・派遣社員など))正規雇用労働者等へ転換または直接雇用を実施する)
キャリアアップ助成金(Ⅰ正社員化コース)
→((有期契約労働者等(契約社員・パート・派遣社員など))賃金規定等の増減改定により賃金の引上げを実施する)
キャリアアップ助成金(Ⅱ賃金規定等改定コース)
→((有期契約労働者等(契約社員・パート・派遣社員など))法定外の健康診断制度を導入する)
キャリアアップ助成金(Ⅲ健康診断制度コース)
→((有期契約労働者等(契約社員・パート・派遣社員など))正規雇用労働者と共通の諸手当制度を導入する)
キャリアアップ助成金(Ⅳ賃金規定等共通化コース)
→((有期契約労働者等(契約社員・パート・派遣社員など))正規雇用当同社と共通の諸手当制度を導入する)
キャリアアップ助成金(Ⅴ諸手当制度共通化コース)
→((有期契約労働者等(契約社員・パート・派遣社員など))短時間労働者を新たに社会保険に加入させると同時に賃金引上げを実施する)
※500人以下の企業で短時間労働者の適用拡大を実施した事業主が対象
キャリアアップ助成金(Ⅵ選択的適用拡大導入時処遇改善コース)
→((有期契約労働者等(契約社員・パート・派遣社員など))短時間労働者の所定労働時間を延長すると同時に社会保険に加入させる)
キャリアアップ助成金(Ⅶ短時間労働者労働時間延長コース)
⑦ 仕事と家庭の両立支援等に取り組む
→(男性が育児休業・育児目的休暇を取得しやすい職場環境作りに取り組み、取得させる)
両立支援等助成金(Ⅰ出生時両立支援コース)
→(仕事と介護の両立支援に関する取組を行い、介護休業や介護両立支援制度を利用させる)
※中小企業が対象
両立支援等助成金(Ⅱ介護離職防止支援コース)
→(育休復帰支援プランを作成し、労働者に育児休業取得・職場復帰させる育児休業取得・職場復帰させる育児休業代替要員を確保したり、保育サービス費用補助制度等の制度を導入し、利用させる)
※中小企業が対象
両立支援等助成金(Ⅲ育児休業等支援コース)
→(育児・介護等を理由とした退職者の復職支援の取組を行い、希望者を再雇用する)
両立支援等助成金(Ⅳ再雇用者評価処遇コース)
→(女性活躍推進のための行動計画に基づいた取組目標又は数値目標を達成する)
※中小企業(労働者数300以下)が対象
両立支援等助成金(Ⅴ女性活躍加速化コース)
⑧ 労働者等の職業能力の向上を図る
→((訓練効果が高い10時間以上の訓練)OJTとOFF-JTを組み合わせた訓練、若年者への訓練、労働生産性向上に資する訓練等を実施する)
※事業主及び事業主団体等が対象
人材開発支援助成金(Ⅰ特定訓練コース)
→((職務に関連した20時間以上の訓練)職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練を実施する)
※事業主及び事業主団体等が対象
人材開発支援助成金(Ⅱ一般訓練コース)
→(有給の教育訓練休暇制度を導入し、労働者が当該休暇を取得して訓練を受ける。または、有給又は無休の長期の教育訓練休暇制度を導入し、労働者が当該休暇を取得して訓練を受ける)
人材開発支援助成金(Ⅲ教育訓練休暇付与コース)
→(有期契約労働者等の人材育成を図る)
人材開発支援助成金(Ⅳ特別育成訓練コース)
→(建設労働者に対して認定訓練を実施または受講させる)
※建設業の中小事業主または中小事業団体が対象
人材開発支援助成金(Ⅴ建設労働者認定訓練コース)
→(建設労働者に対して技能実習を受講させる)
※建設業の中小事業主または中小事業団体が対象
人材開発支援助成金(Ⅵ建設労働者技能実習コース)
→(障害者に対して、職業能力開発訓練事業を実施する)
※事業主、事業主団体、社会福祉法人等対象が対象
人材開発支援助成金(Ⅶ障害者職業能力開発コース)
→(都道府県労働局長からの委託により、事業所での作業環境へ適応させるための訓練を行う)
職場適応訓練費
2.働き方改革による助成金
働き方改革の内容と申請できる助成金
① 年5日の有給休暇取得義務推進
→働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
② 時間外労働の上限規制
→働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
→人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)
③ 労働時間把握義務化
→働き方改革推進支援助成金
④ 産業医等の機能強化
→小規模事業場産業医活動助成金
⑤ 労働時間インターバル制度の導入
→働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)
→人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)
⑥ 同一労働同一賃金
→キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース、賃金規定等改定コース、賃金規定等共通化コース、諸手当制度共通化コース)
⑦ 月60時間超割増金率を50%とする措置を中小企業にも適用
→働き方改革推進支援助成金
⑧ 多様で柔軟な働き方の実現
→障害者雇用安定助成金
→両立支援等助成金
→働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)
上記の助成金については、助成条件が変更となったり、既に受付を終了しているものもございます。詳しくは当事務所までご相談ください。