第14回 ”あの日本を象徴する業界”の未来は?~2030年の”夜明け”を迎えられるか?~

就業規則のいろは ~とある社労士の独り言~

いきなり凄いタイトルだなと自分でも思いますが(笑)、多分これは事実なのではないかなと思います。
この就業規則のいろはのコーナーでも再三お伝えしてきましたが、私はこれまで本当に様々な会社で就業してきましたが、残念ながらその中のほぼ大半の企業が現在細々と経営しているか、何社かは既に廃業して残っておりません。
特にこの成果主義について人事評価の仕組みを作りつつ、結局は「年功序列」と「終身雇用」に固執して凋落していった業界はズバリ「製造業」でした(製造業でこの記事を読んでいる方には申し訳ございません!)。
もちろん製造業界でもMBOやKPIといった成果主義に則った人事制度を導入しようという動きはありましたが、結局は実効性がなく終わってしまったケースがほとんどでした。
なぜかというと、ご存じのように、日本の製造業界はまさに「匠」の世界であり、多分3世代くらい前までは、日本の技術の粋である「製品」にはとても他国が追いつけるものではありませんでした。
ところが、その日本の製造業界はその精巧な製品を作るのには「経験」と「知識」を磨かなくてはならないものがあり、早い話が人を育てなくてはならず、当然それには長い年月を必要とします。
そのため、製造業界には、「長年就業してきた方」=「技術を磨いてきた社員」という図式が成り立つと同時に、日本の丁稚文化が重なり、どうしても「年功序列」の図式が嫌でも成り立つわけです。
そして、日本の製造業界の特徴として、「その会社の独自の技術」が多いので、簡単に代替えが利かず、「とにかくその社員の雇用を維持する」といった「終身雇用」という図式がここで成り立つわけです。


しかしです・・・

残念ながら、この考え方は今後の世代(例えばY,Z世代とか)には全く通じません。
そもそもですが・・・
「会社を皆で盛り立ててかつ一緒に頑張ろう!」という昭和あるあるの発想は全く通じません。

そもそもですが、現在の製造メーカーの管理職クラスの方ですとか役員クラスの方々がいわゆる「昭和タタキ上げ世代」のため、まぁ残念ながらこのXYZ世代の「志向」を正しく理解していないのではないかと思います。
もちろん、製造メーカーにしても、「これまでの」その伝統的技術製造をいきなり変える事はなかなか出来ないので(AI等莫大な設備投資が必要になる上、そもそも技術者の技術そのものが変わるため(つまりシステムエンジニア))、これまで通り、なんとか「若手で優秀なエンジニア(あるいは工学系の学生)」を採用するのに躍起になっております(製造メーカーの中には、未だに、「終身雇用」と「階段式に賃金が上がっていく仕組み」があれば、若手あるいは新卒者が本気で来てくれるという妄想に取りつかれた企業もあります(涙))。

しかしですが・・・

残念ながら、その「若手で優秀なエンジニア」はそもそも特に老舗の製造メーカーに就職希望ではありません。ズバリ「IT」系のシステムエンジニアです。

繰り返しますが、これまで日本の製造業は「匠」の技術を伝承するために、まさに「若い人材は育てる」文化で成り立っており、それがまさに昭和までは高くても売れる「ジャパンプレミアム」と呼ばれるまでになり、他国の追随を許さない製品を生む出してきたわけですが、今その「ジャパンプレミアム」は一部の製品を除きほぼありません。しかし現在は全くグローバルの状況は違います。
更に、その日本の伝統的製造方法が裏目に出るのと同時に、少子高齢化そして現在の原価高騰も受けて、製造メーカーのほとんどが「負け続け」が現状ではないでしょうか。
いずれにせよ、日本の製造メーカーについては、これまでの価値観である「終身雇用」と「年功序列」的な考え方はもはや限界が来ている事を素直に認めること(事実トヨタでさへ終身雇用は廃止すると述べてますし)。そしてここが一番苦戦するところではありますし簡単にはいかないことを承知で言わせて頂くのであれば、従来の人に依存する製造方法からAI化等に切り替えていくこと。その上で、これからの世代にも魅力を感じる「人事評価制度」とか「賃金制度」そして何よりも「キャリアパス」を用意できる製造メーカーでないともはや”2030年の日の出”を拝むことさへ難しくなるのではないかと考えます。

社会保険労務士東

当事務所では、老舗メーカーや企業の、「これからの世代(いわゆるXYZ世代)」にも魅力を感じて頂ける、評価制度や「キャリアパス」、そして能力の高い若手社員の採用等「人事戦略」プランの作成のご相談を承っております。今回の記事で、一つでも貴社の状況に似たような状況を少しでも感じられたら、初回無料の相談をぜひお受け頂ければ幸いです。

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