第7回「すかいらーく、5分未満の切り捨て賃金支払いへ パートらに16億円」から考える

就業規則のい・ろ・は ~とある社労士の独り言~

本日、Yahooニュースを見ておりましたら、件名にもございます「すかいらーく、5分未満の切り捨て賃金支払いへ パートらに16億円支払う」旨の記事が載っておりました。
丁度先日も「15分単位の勤怠管理」が違法である旨が記載されており、意外にこの手の分単位での切り捨てを実施している企業が多いというのあらためて実感した次第です。

ところで、

「なんだか分かるような分からないような・・・??」という方の為に少々分かりやすく説明すると、タイムカード等を簡単言えば15分ごとに集計するという事です。まぁそれを、15分間隔に満たない場合はバッサリ切り捨てるという事です。例えば16:42分とかにタイムカードを押して帰宅した場合は、16:30分にするという事で、つまり12分は切り捨てられてしまいます。

「えっ、それって普通にやっていたけど、違法なの?」とか思った方。

ハイ、ズバリ違法です! 
5分、10分で切り捨ててよいなどの労基法の条文はどこにもありません。1分でも支払いわなければなりません。

そのためもし労働者が「未払い残業代(または賃金)が〇分単位で切り捨てられており、切り捨てていた分会社は払え!」とかなんとか訴え出たら、まず会社側は負けます。今回のすかいらーくの事例も恐らくその手の問題で遡って2年間分支払うことになったのではないでしょうか。(ちなみにですが、2020年4月より、未払い残業代の時効期間はそれまでの2年から3年に延長されております。


実は、結構この事をしらず、当然のように1分単位どころか、そして今回のすかいらーくの5分単位切り捨てどころか(笑)、15分単位とか私の知り得ている限りで言えば、30分単位の集計をしているところもあり、世に言う大企業でさへこれを平然として行っております。

しかしながら・・・

「労働者の権利」として「仕事をした分だけ当社はキッチリ払います!」として闇雲に1分単位でまぁ残業を支払う「仕組み」を実施したらどうなるのでしょうか。もちろん、とんでもなく人件費が上がります。
恐らくこのように直球に記載すると、多くの方は「えっ、社労士のくせにあんたがそれを言ってもいいの!」と言われそうですが(笑)、ここでちょっと待ったです!
「〇分単位の切り捨て」で問題となる会社のほぼ大半が、そもそもですがキチンとした従業員の労務管理がされていないケースがほとんどで、まぁ中には管理職者がろくすっぽ社員の労務時間や残業も把握せず勝手にやらせているケースさへあります。「えっ、労働者自身が働いた分だけ1分単位でつけて良いのであれば特に不満は出ないのでは??」とか考えてしまうかもしれませんが、まぁこの手の会社のほぼ大半がまず社員は残業はつけてないので(または残業としてつけらない会社体質)、当然労使間の関係は良くありません。
そのため、ある日突然労働者の堪忍袋の緒が切れて、「サービス残業を散々やらせらました!1分単位でキッチリ払ってください!」なんて事になるわけです。

繰り返しになりますが、労働時間の集計は日単位では1分単位で集計することが必要です(月の集計の丸目は判例でOKとされております。)。
そこももちろん重要な事ではありますが、なぜこんかい外食会の大手グループであるすかいらーくが5分未満の切り捨ての件、そして16億もの未払い賃金を支払ったかを考えてみてください。
常日頃キチンと社員及び労務管理をしており、特に残業などは会社側が従業員の労働量を把握しかつ36協定等にも抵触しないように管理していれば決してこの手の問題は、そうそう起こらなかったのでと考える社労士でございます。

本記事が気になった方は、今一度会社の「就業規則」をご確認ください。
もし上述のように勤怠管理について〇分単位は切り捨てるとか記載されており労基法に抵触している可能性があります。そして後からすかいらーくの事例のようにとんでもない未払い賃金を支払わなくてはならいない可能性もございます。
就業規則改定だけでなく適切な労務管理フロー導入(労使間または組合との交渉を含む)を多数経験してきております当事務所にご相談ください。

社会保険労務士東拓事務所

   




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