Archive for the ‘就業規則のいろは’ Category

第15回 そして助成金の不正受給続く・・・~そこにある士業の悲しい現状~

2023-01-10

就業規則のいろは ~とある社労士の独りごと~

というわけで、今回のテーマは真面目にセンシティブな話題です。
昨日(10日)、ネットニュースを見ておりましたら、中古車販売会社役員と社労士がまぁ共謀して(という言い方が結局は正しいんでしょうね・・・)、雇用調整助成金の不正受給をしたとして警視庁から告発されたと記事に載っておりました。私のHPの別コラムでも再三申し上げている通りですが、この雇用調整助成金(以下「雇調金」と呼ばせて頂きます。)については、本当に本当に多くてそれこそ、「助成金」、「不正受給」と検索すれば山のように記事が出て参ります。
この就業規則のいろはでも以前お伝えしたかと思いますが、助成金の不正受給については最近の法改正もあり非常に厳罰化されており、不正受給を受けた企業はもちろんその不正受給した助成金及び利息もつけてキッチリ返済しなくてはなりません。さらにこのように「詐欺罪」として刑事罰を負わされた上に、しばらくは助成金の申請自体ができなくなります(まぁその前に本業自体が続けられるかも怪しいですが・・)。
一方加担した社労士はどうかというと、当然のことながらタダでは済まず、社労士法第25条に従い、「戒告」、「1年以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止」または「失格処分」と定めております。ただし、「戒告」または「1年以内の業務停止」であったとしても、助成金の申請代行については5年間はその社労士による申請は出来ないとなっておりますので、暫くこの助成金に関する業務は出来ません(ただ今回はいない社員いることにしてとまぁ確信犯として不正受給してますし、社会的事件になっておりますゆえ、この社労士はそれこそ失格処分(つまり資格剥奪)になるのではないでしょうか。
(とまぁそれはそうですし、この会社役員及び社労士も確信犯的にやっているので反論は出来ないところではありますが、この雇調金自体の受給要件もコロナの感染が始まった当初についてはメチャクチャ申請要件が緩和されており、例えば添付書類のタイムカードなんかは手書きでも受け付けてくれた時があったので、それを考えると少々政府としての対応もどうかと思いますが・・・)

ではなぜこんなに助成金の不正受給は続くのでしょうか??

会社からすればこれはいわずもがな、本来の助成金の目的を忘れて「ただで返還不要のお金が国から受けられる。」とか、「苦しものは藁をもつかむでお金をいただく。」的な発想で不正受給をしてしまうんでしょうね。あと、これは全くの私見ですが助成金の受給そのものを軽く見ているのもあるのかなって気がします。

次に「社労士からの視点」です。実はこれは様々な要因がありますが、一つ言えるのがこれまで助成金の代行申請は社労士にとって大きな収入源の一つであったということが言えます。助成金の手数料は社労士によってまちまちではありますが、まぁ相場としては約20%くらいは頂いているのではないでしょうか(ちなみに当事務所は助成額によってその手数料率が変わります。)。仮に今回のように400万とか助成していたら、その20%の80万ですから、これはかなり大きな手数料となります(そのため、助成金受給代行を専門としている社労士もいるくらいです。)。
そして今回の雇調金の申請代行では、一時この申請が集中し社労士が足らなくなるくらいに申請代行が集中して、社労士によっては、「もう雇調金と両立支援助成金だけはやりたくない!」なんて言った社労士もいたとか(笑) しかし一方では多くの社労士がその「恩恵」をこの2年くらいの間受けたのではないでようか。
ただし、この雇調金の本当に多額の支出で、そもそもの雇用保険の財源が相当目減りしてしまったようで、それまで比較的受給し易かった他の助成金も(例えばキャリアアップ助成金)、法改正によりかなり基準が厳しくなっており、今後助成金はそう易々とは受給できないものになっていくのではないかと思われます。
そうすると助成金の申請をそもそも主たる業務としていた社労士は相当厳しい状況となり、もちろん1号業務(、社会保険や労働保険等の申請書類の作成と提出代行業務)や2号業務(労働社会保険関係法令に基づく書類の編纂整備(労働者名簿、賃金台帳や就業規則))といった社労士ならではの業務はございますが、助成金ほど手数料は高くはなく、かつ老舗の会社やある程度の規模の会社になりますと、既に長年お付き合いしている社労士事務所とかございますので、なかなか立ち入る隙がないのが実情です。。
そのため、「分かってはいるが、生きていかなくてはいけないがゆえ・・」とか、「これくらいはバレないだろう・・」ということで、その”不正受給”に加担してしまう悲しい実情ではないかなと推測します。

但しです・・・

以前も当コラムでお伝えしたように、不正受給の懲罰は会社にとっても社労士にとっても「救われない結果」となります(→以下参照 https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000919896.pdf

もちろん、それはどういうことかというと、会社にとってはもはや操業出来なくなるということ。そして社労士にとっては、「社会保険労務士としては退場!」ということです。

苦しいときに藁をも掴みたくなる気持ちは私も痛いほど分かります。でもそんなときこそ、「自身を深く見つめなおし」かつ「自分は一体社会に対して何が貢献出来るのか?」と考えることで、おのずとやるべきことがみえてくるのかなと当社労士は考えます。

社会保険労務士東拓事務所

私共社会保険労務士東拓事務所でも、他のご相談事項と並行して助成金をご案内致しますし、助成金の申請代行ももちろん承ります。但し、現在、以前の支給要件自体が大幅に緩和され、かつ助成しやすい助成金はほぼございません。但し、今後の企業の発展と人材の育成の一助となる助成金であれば積極的にご案内致しますので、まずはお気軽に当事務所にご相談下されば幸いです。

第14回 ”あの日本を象徴する業界”の未来は?~2030年の”夜明け”を迎えられるか?~

2022-12-24

就業規則のいろは ~とある社労士の独り言~

いきなり凄いタイトルだなと自分でも思いますが(笑)、多分これは事実なのではないかなと思います。
この就業規則のいろはのコーナーでも再三お伝えしてきましたが、私はこれまで本当に様々な会社で就業してきましたが、残念ながらその中のほぼ大半の企業が現在細々と経営しているか、何社かは既に廃業して残っておりません。
特にこの成果主義について人事評価の仕組みを作りつつ、結局は「年功序列」と「終身雇用」に固執して凋落していった業界はズバリ「製造業」でした(製造業でこの記事を読んでいる方には申し訳ございません!)。
もちろん製造業界でもMBOやKPIといった成果主義に則った人事制度を導入しようという動きはありましたが、結局は実効性がなく終わってしまったケースがほとんどでした。
なぜかというと、ご存じのように、日本の製造業界はまさに「匠」の世界であり、多分3世代くらい前までは、日本の技術の粋である「製品」にはとても他国が追いつけるものではありませんでした。
ところが、その日本の製造業界はその精巧な製品を作るのには「経験」と「知識」を磨かなくてはならないものがあり、早い話が人を育てなくてはならず、当然それには長い年月を必要とします。
そのため、製造業界には、「長年就業してきた方」=「技術を磨いてきた社員」という図式が成り立つと同時に、日本の丁稚文化が重なり、どうしても「年功序列」の図式が嫌でも成り立つわけです。
そして、日本の製造業界の特徴として、「その会社の独自の技術」が多いので、簡単に代替えが利かず、「とにかくその社員の雇用を維持する」といった「終身雇用」という図式がここで成り立つわけです。


しかしです・・・

残念ながら、この考え方は今後の世代(例えばY,Z世代とか)には全く通じません。
そもそもですが・・・
「会社を皆で盛り立ててかつ一緒に頑張ろう!」という昭和あるあるの発想は全く通じません。

そもそもですが、現在の製造メーカーの管理職クラスの方ですとか役員クラスの方々がいわゆる「昭和タタキ上げ世代」のため、まぁ残念ながらこのXYZ世代の「志向」を正しく理解していないのではないかと思います。
もちろん、製造メーカーにしても、「これまでの」その伝統的技術製造をいきなり変える事はなかなか出来ないので(AI等莫大な設備投資が必要になる上、そもそも技術者の技術そのものが変わるため(つまりシステムエンジニア))、これまで通り、なんとか「若手で優秀なエンジニア(あるいは工学系の学生)」を採用するのに躍起になっております(製造メーカーの中には、未だに、「終身雇用」と「階段式に賃金が上がっていく仕組み」があれば、若手あるいは新卒者が本気で来てくれるという妄想に取りつかれた企業もあります(涙))。

しかしですが・・・

残念ながら、その「若手で優秀なエンジニア」はそもそも特に老舗の製造メーカーに就職希望ではありません。ズバリ「IT」系のシステムエンジニアです。

繰り返しますが、これまで日本の製造業は「匠」の技術を伝承するために、まさに「若い人材は育てる」文化で成り立っており、それがまさに昭和までは高くても売れる「ジャパンプレミアム」と呼ばれるまでになり、他国の追随を許さない製品を生む出してきたわけですが、今その「ジャパンプレミアム」は一部の製品を除きほぼありません。しかし現在は全くグローバルの状況は違います。
更に、その日本の伝統的製造方法が裏目に出るのと同時に、少子高齢化そして現在の原価高騰も受けて、製造メーカーのほとんどが「負け続け」が現状ではないでしょうか。
いずれにせよ、日本の製造メーカーについては、これまでの価値観である「終身雇用」と「年功序列」的な考え方はもはや限界が来ている事を素直に認めること(事実トヨタでさへ終身雇用は廃止すると述べてますし)。そしてここが一番苦戦するところではありますし簡単にはいかないことを承知で言わせて頂くのであれば、従来の人に依存する製造方法からAI化等に切り替えていくこと。その上で、これからの世代にも魅力を感じる「人事評価制度」とか「賃金制度」そして何よりも「キャリアパス」を用意できる製造メーカーでないともはや”2030年の日の出”を拝むことさへ難しくなるのではないかと考えます。

社会保険労務士東

当事務所では、老舗メーカーや企業の、「これからの世代(いわゆるXYZ世代)」にも魅力を感じて頂ける、評価制度や「キャリアパス」、そして能力の高い若手社員の採用等「人事戦略」プランの作成のご相談を承っております。今回の記事で、一つでも貴社の状況に似たような状況を少しでも感じられたら、初回無料の相談をぜひお受け頂ければ幸いです。

第13回 2022年育児介護休業法改正~「そもそも超絶かつ難解な暗号文であった」を理解する~

2022-11-12

就業規則のいろは ~とある社労士の独り言~

全く余談ですが、この「就業規則のいろは」ですが、この投稿するタイミングについては、本当にふとした瞬間に「いや載せねば」とか思いついて投稿することが多く(笑)、ハッキリ言えば不定期です。
今回も頭の片隅に、4月及び10月に改正された育児介護休業法について「どこかで投稿したいかな」と思いつつ本日となってしまったわけです(笑)

さて、本題ですが、この「育児介護休業法」ですがハッキリ申し上げて「冗談やハッタリ抜きで暗号を読み解くレベルで超絶難解な法律」と言えます
恐らくですが、このように申し上げたら大変失礼だと承知で申し上げるのであれば、私ども社労士でも、この法律や厚労省から出ている規程例を完璧に解説出来るか先生も少ないのではないかと考えております。
そのためですが、普段このような法律や規程に接することのな従業員はもちろんのこと、人事や総務の方でもこれを完璧に理解している人も多くはないのではと推察します。
2022年4月及び10月の改正を通して、例えば、「産後パパ育休」が創設されたり、あるいはそれぞれ2回の分割取得が可能となったり、あるいは1歳以降の休業延長の開始日を柔軟化とありますが(細かく記載するとそもそも何ページになるか分からないので割愛で、以下参照)

<育児介護休業法改正ポイント>

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000789715.pdf

そもそもですが「改正とかいうけど、元の育児介護休業法自体が良く分かりません!」が本当のところなのではないでしょうか。

しかもですが、厚労省から発行している規程等、読んでいるとそのうち、「一体今”日本”の話をしているのですか?それとも”アメリカ”の話をしているのですか?」という状態になります。

なぜこのような難解な法律や規程となったのでしょうか?

実は、これは法律という名の「実務運営マニュアル」となっており、細かい情報をガチガチに作られているからです。そこには、”1点の隙”もありません。

なかなかこのような「隙のない」法律というのは珍しく、普通労働法でも社会保険法だろうが、そこにはファジーに作られるものなのですが、この「育児介護休業法」の特に「育児休業」の部分についてはほぼそのような「隙」はございません。
そのため、この育児介護休業法の特に「育児休業」ですが、これを解釈するには、一文一文どころか「一言一言」を目を皿のようにし、かつ一つ一つ解釈しながら読み進めてないと、上述したように、途中で「えっ、一体私はどこにいるのでしょうか??」という状態になります。理由の一つが、とにかく条文がほぼ苛めのレベルで他の条文に飛びまくるということもございます(笑)
もちろん、一般の方が、時間を掛けてかつ集中して一言一言読み解いて理解していくなど出来る分けもございません。
そして更にこの法律や規程の厄介なのは、一度理解したつもりが、数日とか時間が経つとまた分からなくなってしまうという事が言えます。
(まぁ、この育児休業だの介護休業そのもののが普段頻繁に発生するわけではないので・・)

このような法律なので、例えご自身が理解しても、他人に教えて理解させるのが更に難解であり、上述したように、普段法律やら規程やらを読みなれている人でもない限り至難の業なのではないでしょうか(いや普段接している人でも分からないかも(笑))。
そのため、実は今回の改正に伴い厚労省からも「育児・介護休業等に関する規則の規定例」として、なんと「簡易版」と「詳細版」と出ており、更にですが、労働局でもこの法律や規程を専属で問い合わせ対応をする職員を置いている始末です(笑)

<育児介護休業法規程例(詳細版)(簡易版)>
育児・介護休業等に関する規則の規定例|厚生労働省 (mhlw.go.jp)


ちなみにですが、私自身もこの「育児介護休業法」改正に伴い、最近「規程を分かり易く作成(または改定)してくれないか?」という問い合わせをいくつかお受けしますが、お答えとしては、「残念ながら、厚労省からの模範した規程に少々足すぐらいしか出来ません。」としております。
もちろん、一つ一つ解説をつけた条文を作ることも出来るでしょうが、そうすると「分厚いマニュアルかよ」というような規程になり、一般の従業員の方からすると規程を読む前から心が折れます。
そして上述したように、この法律自体ほぼ隙がないので、下手に文言を加えたり削除したりすると見事に法律違反となる可能性もございます。
更に条文を下手に入れ替えたり差替えたりすると、今後また改正が行われた際、「一体どこを改定すれば良いのか?」という状態になります。
そのため、私共社労士の中でも、この規定を改定するにしても作成するにしても、本当に面白味のない規定であるかなと思います(笑)

逆を申せば、この規程は規程でもう割り切って厚労省からの規定例を参考に作成または改定し、そして運営を本法律を理解しそして運営をサポート出来る社労士に相談するというのも一つの手かなと考えます。

社会保険労務士東拓

最近、男性の方で育休を取る方が増えてきており(※10月以降既に2社ほど対応済み)、これからも働き方改革の中で、男性の育休取得者は増えていくのではないかと思います。
特育児休業については、ご存じのように、上述したように普段頻繁に発生しないからこそ、対応が困難な法律といえます。そのため、本法律・規程および実務サポートについては、規程の改定(または作成)を含めて私共社会保険労務士東拓事務所の無料相談をお受け頂ければと思います。

第11回 過労死として認定されたNHK職員の事例から考える~大手有名企業で起こる「年功序列」と「終身雇用」の功罪と進まない「働き方改革」~

2022-09-07

就業規則のいろは ~とある社労士の独り言~

先日、”また”NHKで勤務されていた40代の男性記者が過労死として労災認定されてしまいました(尚、この方が死亡されたのは2019年)。
皆さまもご存じのように2014年に都庁クラブの女性記者で当時31歳の方がやはり過労死として認定されており、残念ながら再び同じ職場で過労死が起きたという事になります。
「天下のNHKともあろう有名企業が1度までも2度もなんだ!」とか思われるでしょうが、このように過労死やらメンタル疾患を多発させる企業は、NHKに限らず皆さまも一度は聞いたことがある大手有名企業かつ”老舗”企業が実は多いのです。
ちょっとネット等で検索すれば「えっ!まさかあの有名企業でそんなことが・・」というくらい検索でヒットするはずです(ト〇タも例外ではありません。)
ではなぜ、大手有名企業かついわゆる「歴史ある企業」とかでこのような長時間残業そして世にいうパワハラとかが横行するのでしょうか。イメージだとさぞかし労務環境は良さげに見えるはずです。
しかし、そこに特に日本企業のまさに”特徴”といわれる要因が含まれております。
それを私なりの解釈にはなりますが、以下お話したいと思います。

1.まずは「年功序列」です。
当然のことながらですが、こういった大手有名企業の歴史は下手をすると100年近く(いやそれ以上の企業もあります。)あります。そしてまさに日本企業の特徴である「年功序列制度」で成り立ってきていることもあり、その中で若い世代で下の職位になればなるほど、年齢も上の職位者からこれでもかというくらい雑務を押し付けられます。
確かに世間では成果主義が叫ばれそして年功序列をもはや採用していない企業が多くなってきているのは事実ですが、実情としてはまだまだ”根強く”残ってます。
そして、さらに厄介なのは現在の50代以上の方々はいわゆる「昭和叩き上げ世代」であり、「自分たちも若い時は昼夜を問わず働いたもんだ。」などという今では時代遅れの思想に取りつかれた方が多いのも特徴です。特にそういった方々が管理職者になっていると余計に若い世代の方とジェネレーションギャップなんか生んだりします。
そして賃金規定等も、職務等級制に基づいたいわゆる「階段式」を採用している会社も多いのも特徴です。まぁ当然といえば当然ですが、ある程度の上の等級等になればなるほど給与は上がっていきますが、「一足飛びに上の職位や給与」という事はあまりなく毎年数千円ずつ昇給していくような仕組みです(いわゆるロールプレイングゲームで、経験値を稼ぎながら少しづつ上のLvに近づきそしてある一定の経験値になるとLv Upするような仕組みです。)
いずれにせよ、日本のかつ伝統ある企業になればなるほど、実質この「年功序列」から脱却できないのが現状のようです。

2.「終身雇用」の考え方を持っている経営層
上述の年功序列と相まって、未だに根強く残っている思想がこの「終身雇用」です。
トヨタをはじめ多くの企業が「終身雇用は廃止する。」と表明しておりますし、事実人事制度はじめ賃金体系も成果主義的に変えて、測定もKPI等にシフトしている昨今ではありますが、現在こういった企業での経営層及び管理職者層の多くが40代後半から50代、または60代といった方が多いのが現状です。
この世代は上述したようにいわゆる”昭和叩き上げ世代”です。
ちなみにこの「終身雇用」の考え方がやはりどうしても色濃く出てしまう業界が「製造業」です。
それこそトヨタはじめ某大手有名製造メーカーは、AIやロボトロニクスを進めてなるべく人手が要らない生産体制を築いてはいるものの、まだまだ人手に頼らざるを得ない状態であります。
しかも日本はこれまでまさに「技術力」で世界の中でも一歩リードしてきた国であり、その「技術」を活かすにはやはり自社で若手を育成しかつ技術や経験を積ませる必要があり、つまり「育てるのに時間が掛かる」のが現状です。そして皆さまもご存じのようにその若手がいままさに獲得するのが困難な状況です。
更に追い打ちをかけるようにといったらなんなんですが、現在の世代こそ「終身雇用」という考えがが無いうえに、残念ながら自身のスキルや経験を更に高く買ってくれる会社があればとっとと転職するか、更に出来る方であれば会社勤めどころか独立してしまいます(つまり昔のような「会社に貢献する」とかいったモチベーションで働いている方は少なくなってきております。)。

3.経営層やマネージメント層がなかなか改革出来ない
ズバリ、この手の大手の会社はズバリ「保守的」です。
更に前述の年功序列及び終身雇用の考え方も相まって、若い方の意見は結局なかなか通りません。
もちろん、上の方の良く聞くセリフで「若い人はどんどん屈託ない意見を言って欲しい!」とは言いますが(笑)、まず聞いていないかまたは聞いただけでそれを「うん、彼女(または彼)の意見は一理あるな・・」などとはほとんど顧みるということはないです(笑)
なぜ基本聴くことはないかということ、一つは「まだ彼女(または彼)は分かっていない!」と初めから考えているところもありますし、またはその上の人の考え方を変えてまでやるつもりもないでしょうね。そしてもちろん意見を取り入れて実施した際の「失敗」を恐れていることもあります。特にこの手の企業の経営層や管理職の方になれば、まぁ40代後半~60代初くらいのいわゆる「昭和世代」が多いはずなので、残念ながら「逃げ切る」事を選ぶと思いますので(笑)、なかなかいろいろ改革するのは難しいのかなと思います。

とまぁ、今回は結構長めの投稿となりましたが(笑)、皆さまの会社はどうでしょうか??
もし読者の方が若くて一つでも当てはまりそうな要素を感じるならば、もしかしたら他の同僚等も同じこと考えているかもしれませんし、上述した昭和世代の管理職者等の方であり、かつ「なかなか若い世代の方とは会話が合わない」とか「何考えているか分からない。」と感じているのであれば、まさにその会社は若い世代の方が逃げ出す一歩手前まで来ているのかもしれません。

社会保険労務士東拓

上述のような状況でお悩みに会社および人事担当者の方について(または若い世代が早期に辞めてしまう。)、当事務所では無料でご相談も応じております。まずはお気軽にご連絡ください。

第10回 「アマゾン配達員 過酷労働で労組結成の動き」事件から考える~消えない個人事業者の偽装請負いの実態とは~

2022-09-01

就業規則のいろは ~とある社労士の独り言~

以前、この就業規則のい・ろ・はでも記載しましたが、本日(2022年8月31日)はたまた請負事業者の事が記事に載ってましたので、私の方から再度本事件の概要を交えて考察を語りたいと思います。
(実は前回記事を載せたところ結構反響がございまして、何人かの方から「私も個人業者として働いてますが、偽装請負いじゃないかと思いまして・・・」なんてご相談でしたので・・)

前回(確か6月だったような・・)本テーマを取り上げた際お伝えしたことかもしれませんが、大手企業からの個人で業務委託している方の契約内容と実態を確認してみると、まぁよくてグレーゾーンしかし作業の実態をよく聞いてみると実は”黒でしょう”だったりします(つまり個人業委託という名の、”偽装業務請負い”です。)。
そして今回の労組や弁護士が語っている通りですが、その個人業者で業務委託契約を締結している方のいわゆる労働環境はズバリ「過酷」です(今回のように血みどろや意識を失っただのケースが横行してしまいます。)。もしその委託先の会社の社員であれば間違いなく労基からお呼び出しを受けます。ですが、業務委託であれば当社の社員ではないので、36協定だのは全く関係ありません。深夜だろうが早朝だろうが関係ありません。”つまり”この個人の業務委託が消えない理由はそこにあります。

前回も申し上げたかもしれませんが、企業側では社会保険も労働保険も負担する必要はないですしそもそも労務管理だのをする必要もありません。つまりは労働基準法だのも関係ありません。
Amazonのような大きな会社でかつ1日の配送量がどんでもない数になると、まさに深夜や早朝だの昼休みだのお休みだの言っている場合じゃなくなるんでしょうね。そのため基本的にはこのように個人と業務委託契約を締結していわゆる”委託業務”として配送してもらうんでしょうが、実態はズバリ「労働者」です。
但し、今回少々驚いたのは、6月にあれだけ公表されながらも、あまり改善がされなかったことでしょうか。もしかしたらAmazonくらいになるとそう簡単には是正するのはもはや不可能なレベルになっていたのかもしれません。
それとこれは全くの余談ですが、Amazonはまぁ人の入れ替わりが激しいです。部門にもよりますし業務にもよりますが、実は3年持ったら(もしかしたら2年かも)良い方かもしれません。正社員だろうが派遣だろうが年がら年中人が変わっております。そのため恐らくですが、この個人請負業者もコロコロ人が入れ替わっているのかもしれません(最初は「天下のAmazonだし仕事も結構くるから」なんて引き受けるのでしょうが、まぁ身が持たないんでしょうね。)
ちなみにですが、この業務委託契約の定義や解釈もなかなか難しいところがあり、受託されている個人事業者の方も実は自分の実態が分かっていないというケースも多くございます。

ちなみに記事には、

「配達員らは、いずれも下請業者との間で業務委託契約を締結し、アマゾンとは直接契約を結んでいないが、AIによる配送指示という直接的な指揮命令を受けていることから、「使用者」としての責任があるとして、アマゾンや下請業者に団体交渉などを求めていきたい考えだ。」

とか記載がございました。私も一人の法律家として語るのであれば、理想はその通りですしまたそうあるべきだと思います。但しこれは全くの私の私見ですAmazonだけでなく運送業を中心にやはり「根深く」浸透してしまっている個人業務請負の仕組みですので、これをクリアーにするとなるとかなり抜本的な解決策が必要となりますが短期には難しいのではと思います。
これは欧米系企業では周知の事ですが、Amazonのような欧米系の企業は、ユニオンに所属している社員を基本的に評価しない企業もございます。もちろん労基法においてそのような差別をしてはいけないとなっておりますが、しかし残念ながら事実は以上です。

社会保険労務士東拓

PS もしご自身の会社が”実態”として個人業務委託契約でお願いしている、またはご自身が個人業務委託契約で就労しており、上記事由に少しでも該当しているのでは思われた方は、まずは私共事務所にご相談ください。




第9回「ばれたら返せばいい」では済まない助成金不正受給の”その後”

2022-06-30

就業規則のいろは ~とある社労士の独り言~

昨日、ニュースを見ておりましたら、たまたま助成金について二つの「不正受給」の事が報道されておりました。
一つは、飲食店経営者で12回にわたり計2257万円を不正に受給したものであり、もう一つは山代温泉で高級旅館を経営する「よろづや観光」とやらが、実際には従業員を休業させていないにもかかわらず休業させたと申請して、やはりこの雇用調整助成金を約1億7千万円を不正受給していたというものでした。

実のところ、ここのところネット等検索すれば例の組織的犯罪にまでなった持続化給付金の不正受給問題と同様、助成金の不正受給も頻発しているようで、それこそ検索すれば1つか2つくらいは何かしら出てくるようです。

しかしながら、私がこの記事をみて私が最初に思ったのは、不正受給をしたこの飲食店経営者でもなければこの観光業者でもありません。それはズバリ「まさか社労士が関与していないでしょうね・・・」という事でした(笑)
というのも、例の国税庁の職員ではありませんが、助成金の不正受給でも、残念ながら社労士が加担して不正受給を行ったケースが多々発生しておりなんとも嘆かわしい限りかなと思います(涙)

ちなみにですが、この雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)は、本来の雇用調整助成金よりも支給要件が随分と緩和されており、ある程度書類が揃っていれば支給されている助成金であり、コロナの影響により休業やら雇用調整をせざるをなかった業種(まさに飲食業界やら観光業界)に対して、例の持続化給付金と同様に、”国の救済支援”だったんでしょうね。

但しですが、いくら助成金の支給要件は緩和されているとはいえ、書類改ざん等のいわゆる「不正受給」はご法度でありましたが、人というのはやはり弱りもので、この助成金についてもかなり「不正受給」が横行してしまいました。
(ちなみに、現在厚労省のHPのこの雇用調整助成金の部分には「雇用調整助成金 不正受給 の対応を 厳格化 しています 不正受給は「刑法第246条の詐欺罪」等に問われる可能性があります」と大きく赤字で表記されております。)

そして、社労士もこの助成金の支給は大きな手数料を得られることから(だいたい助成金額の10~15%)、助成金しかやらない社労士もいるくらいで(笑)、中には書類を改ざんしたり偽造したりして「不正受給」に加担する社労士もおります。

もちろん私共の事務所でも、コロナ特例の雇用調整助成金の申請をお受けしたことは何度もございます。そして中にはですが、「先生”なんとか”助成金を受給できるように手配頂けないか??」とか言われて、法定3帳簿(労働者名簿、賃金台帳、タイムカード)の”暗黙の改ざん”をお願いされたことは1度や2度ではありません。

が、

当事務所では一切お断りして更に当事務所自体”当事務所から”お付き合い自体を止めさせて頂きました

もちろん、不正受給が露見した時のペナルティーの事もございましたが、そもそもですが、失礼を承知で言わせて頂ければ、「不正受給」など考える企業は、一時その助成金で”延命”が出来ても、企業としては完全に「アウト」なので5年後、10年後に健全な企業として生き残っている可能性は0%でまぁいわゆる「終わりの始まり」というやつです。

ちなみにですが、不正受給を行った顛末はどのようなるのでしょうか??

(不正受給をした会社)
1.事業所名等の積極的な公表予告なしの現地調査

 今回のように世間に否が応でも晒されます!
 つまり会社としての信用及び信頼度は0%どころか大きくマイナスに傾きます。

2.「刑法第246条の詐欺罪」等に問われる可能性があります

 最悪、刑事告訴された上に、例の持続化給付金詐欺犯と同様に刑務所行きも十分あり得ます。

3.返還請求(ペナルティ付き)

 もちろん、助成金は返金です! 

 しかもただではありません(笑)

「不正発生日を含む期間以降の全額」+「不正受給額の2割相当額」(ペナルティ)+「延滞金」

 とまぁ助成額+多額の罰則金を返還しなければなりません。まぁ悪いことをしたことについては「それ相応の罰」があるということです。

4.5年間の不支給措置

これは該当した助成金だけではなく、他の助成金についても不支給措置がくだされます。
※まぁ5年経過後も助成金の受給は相当厳しい審査が実施されるので、ほとんど助成金を受給できる望みはないかと・・

(厚労省参考URL)
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000919896.pdf

(社労士について)
5年間助成金の支給申請不可(尚、事件が悪質の場合は業務停止または資格剥奪)
※過失でも罰則適用

とまぁご覧頂きましたようにまさに自業自得とはいえかなり厳しい罰則が適用されます。

但しですが、このような不正を働いた企業が5年後以降に運営している可能性は限りなく0に等しく、更に加担社労士ももはや廃業しているケースがほとんです。

つまりは、この不正受給の当事者はもちろん、従業員やご家族皆が不幸になってしまいます・・・

では上記の厚労省のHPが示すようになぜに助成金についても不正受給が絶えないのでしょうか??
当然それはお金が絡むことだからですが、その根底にあるのは「これくらいならバレないだろう。」とかの慢心や「俺は会社(または家族)の為にやっているんだ!」とか自分自身の勝手な思い込みで”正当化”してしまうことも原因ではなかろうかと思います(人は”弱い生き物”です)。

とはいえ、助成金は健全な利用を心がければ、企業を成長させるうえで非常に有効活用が出来るものなので、不正受給はダメですが(笑)、ぜひ積極的に助成金の活用は考えて頂きたいとは思います。

社会保険労務士東拓事務所

PS
繰り返しますが、助成金は正しく利用すれば有効な活用資金となります。
ぜひ当社会保険労務士東拓事務所にご相談ください。貴社にあった最適な助成金と活用方法をご診断いたします。




 

第8回「すかいらーく、5分未満の切り捨て賃金支払いへ パートらに16億円」から考える

2022-06-08

就業規則のいろは ~とある社労士の独り言~

本日、Yahooニュースを見ておりましたら、件名にもございます「すかいらーく、5分未満の切り捨て賃金支払いへ パートらに16億円支払う」旨の記事が載っておりました。
丁度先日も「15分単位の勤怠管理」が違法である旨が記載されており、意外にこの手の分単位での切り捨てを実施している企業が多いというのあらためて実感した次第です。

ところで、

「なんだか分かるような分からないような・・・??」という方の為に少々分かりやすく説明すると、タイムカード等を簡単言えば15分ごとに集計するという事です。まぁそれを、15分間隔に満たない場合はバッサリ切り捨てるという事です。例えば16:42分とかにタイムカードを押して帰宅した場合は、16:30分にするという事で、つまり12分は切り捨てられてしまいます。

「えっ、それって普通にやっていたけど、違法なの?」とか思った方。

ハイ、ズバリ違法です! 
5分、10分で切り捨ててよいなどの労基法の条文はどこにもありません。1分でも支払いわなければなりません。

そのためもし労働者が「未払い残業代(または賃金)が〇分単位で切り捨てられており、切り捨てていた分会社は払え!」とかなんとか訴え出たら、まず会社側は負けます。今回のすかいらーくの事例も恐らくその手の問題で遡って2年間分支払うことになったのではないでしょうか。(ちなみにですが、2020年4月より、未払い残業代の時効期間はそれまでの2年から3年に延長されております。


実は、結構この事をしらず、当然のように1分単位どころか、そして今回のすかいらーくの5分単位切り捨てどころか(笑)、15分単位とか私の知り得ている限りで言えば、30分単位の集計をしているところもあり、世に言う大企業でさへこれを平然として行っております。

しかしながら・・・

「労働者の権利」として「仕事をした分だけ当社はキッチリ払います!」として闇雲に1分単位でまぁ残業を支払う「仕組み」を実施したらどうなるのでしょうか。もちろん、とんでもなく人件費が上がります。
恐らくこのように直球に記載すると、多くの方は「えっ、社労士のくせにあんたがそれを言ってもいいの!」と言われそうですが(笑)、ここでちょっと待ったです!
「〇分単位の切り捨て」で問題となる会社のほぼ大半が、そもそもですがキチンとした従業員の労務管理がされていないケースがほとんどで、まぁ中には管理職者がろくすっぽ社員の労務時間や残業も把握せず勝手にやらせているケースさへあります。「えっ、労働者自身が働いた分だけ1分単位でつけて良いのであれば特に不満は出ないのでは??」とか考えてしまうかもしれませんが、まぁこの手の会社のほぼ大半がまず社員は残業はつけてないので(または残業としてつけらない会社体質)、当然労使間の関係は良くありません。
そのため、ある日突然労働者の堪忍袋の緒が切れて、「サービス残業を散々やらせらました!1分単位でキッチリ払ってください!」なんて事になるわけです。

繰り返しになりますが、労働時間の集計は日単位では1分単位で集計することが必要です(月の集計の丸目は判例でOKとされております。)。
そこももちろん重要な事ではありますが、なぜこんかい外食会の大手グループであるすかいらーくが5分未満の切り捨ての件、そして16億もの未払い賃金を支払ったかを考えてみてください。
常日頃キチンと社員及び労務管理をしており、特に残業などは会社側が従業員の労働量を把握しかつ36協定等にも抵触しないように管理していれば決してこの手の問題は、そうそう起こらなかったのでと考える社労士でございます。

本記事が気になった方は、今一度会社の「就業規則」をご確認ください。
もし上述のように勤怠管理について〇分単位は切り捨てるとか記載されており労基法に抵触している可能性があります。そして後からすかいらーくの事例のようにとんでもない未払い賃金を支払わなくてはならいない可能性もございます。
就業規則改定だけでなく適切な労務管理フロー導入(労使間または組合との交渉を含む)を多数経験してきております当事務所にご相談ください。

社会保険労務士東拓事務所

   




第7回AMAZONの宅配委託された「運送会社」と「個人ドライバ」の是正勧告事例について考える(業務請負契約)

2022-05-29

就業規則のいろは ~とある社労士の独り言~

本日(5/29)、知人の方からネット通販最大手かた誰もが知る「アマゾン」の荷物の宅配を運送会社から業務委託された個人事業主について、労働基準監督署より「丸和運輸機関」という会社が是正勧告を受けたという事例でした。


「なんとも分かりにくい!」という声が聞こえそうですが(笑)、是正勧告の内容は早い話が、その運送会社との業務委託で働いていた「個人ドライバー」の方が、労働基準法の「労働者」にあたり、かつその運送会社とのそのドライバーが、「雇用関係」にあたるという内容であり、そのため時間外労働をするにのあたり(または休日労働)36協定の届出が必要なところ、それが労働基準監督署に出されていないという内容でした。

もちろんその運送会社と「個人ドライバー」との間には「業務請負契約」はあったのでしょうが、「業務請負契約」において、”依頼者”(この場合はその運送会社)は指揮命令はしていけないとしております。あくまでも委託者は「成果物」のみ要求してそれに対して”受託者”(この場合はその個人ドライバーです。)は完成物を提出するのみです(この場合は預かり荷物の集配)。

もちろん、アマゾンのような大手かつ鬼のように集配が行われる会社で、「個人ドライバーさん、業務委託契約に則り宅配物をそちらの裁量で集配してください。」などの業務請負契約が実質成立するとは思えず(笑)、基本的には労働者のように、運送会社から「細かい指揮命令」があった事は容易に想像できます。(まぁこれは私の勝手な想像ですが、アマゾンもその実態は知っていたのでは・・)

それでは何故このように個人ドライバーと雇用契約ではなくて「業務請負契約」を結んで働かせていたのでしょうか?
もうお分かりになると思いますが、依頼会社としては雇用関係にして「煩わしい雇用管理の手間」を省きたいとか、社会保険料等いわゆる「余分な費用は払いたくない!」とかもあります。しかしもう一つ上げるのであれば、アマゾンをご利用した方は分かると思いますが、集配の方は大変な数を朝から晩まで、休みなどは関係なく無茶苦茶く配送しなくてはならないという「現実」があります。そしてそのためには、労働基準法36条を「なんとかすり抜けなければ・・・」と考えたいわゆる”苦肉の策”がこの「業務請負契約」かなと思います。

「なるほど、アマゾンもその運送会社も酷いな!」と、思われた方、すみませんがこれは”ほんの氷山の一角”です。
残念ながら、これも私の経験上ですが、対会社間はともかく、私が携わったこの個人と会社で結んでいる「業務請負契約」は「雇用契約」というのが実態で例外は一つもありませんでした(つまり”偽装請負い”です(笑))。

それではなぜ今回、このアマゾンから委託を受けたその運送会社と個人ドライバーの契約がこうしてクローズアップして世に報道されたのでしょうか。

まぁ簡単に言えば”見せしめ”です。
つまり労働基準監督署もその辺は実態はキチンと把握しており、「AMAZON」という会社をこうやって出せばインパクトは絶大でいわゆる”見せしめ”効果も抜群なので(笑)、特に運送会社とか多いのですが、労働基準監督署としては「知らないと思って”偽装請負い”を継続していると、いずれ刺しますよ!」といういわゆる”警告”なんでしょうね・・・

ちなみにですが、「偽装請負い」と労働基準監督署から認定されてしまいますと、個人ドライバーは「労働者」と認定されてしまいますので、遡って(時効では3年前までですが、悪質行為が認定されたら10年となります。)残業代等請求される可能性があります。認定されて以降ではありません。しかも利息を付けての時間外労働分の手当を支払わなくてはなりません。
そして当然のことながら36協定届出違反ともなりますので、是正勧告を受けた上で様々なペナルティーが課せられます(助成金や補助金の審査にも影響が出るかもしれません)。

但し、なかなか「業務請負契約者」まで把握して企業の雇用管理の実態を把握している社労士は少ないかなという気がしますので(業務請負契約は民法の範囲なので、そこでいうと社労士の法律の中には民法は出てこないので・・)、もし「うちの会社は大丈夫か??」と思われた方は、一度当事務所にご相談頂ければ幸いです。
それでは SeeYu

社会保険労務士東拓事務所

第6回 労働基準法106条「周知義務」の限界

2022-04-24

就業規則のいろは ~とある社労士の独り言~

すみません、少々時間が経ってしまいましたが(笑)、久しぶりに投稿です。
再三本コラムでお伝えしておりますが、とにかく普段就業規則をいかに「周知」及びどれだけ従業員に理解させることが重要です。

労働基準法106条には、以下条文が記載されております。

”使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、第18条第2項、第24条第1項ただし書、第32条の2第1項、第32条の3、第32条の4第1項、第32条の5第1項、第34条第2項ただし書、第36条第1項、第38条の2第2項、第38条の3第1項並びに第39条第5項及び第6項ただし書に規定する協定並びに第38条の4第1項及び第5項に規定する決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。”

と、あります。
あくまでもこの労働基準法106条に従い、会社にイントラネットに掲示、従業員に配布または極端な話しどこか会社の公の場とかに就業規則他関連規則をファイルにして保管して、「ご自由にご閲覧ください。」とかにしてもまぁ十分「周知義務」を会社として周知義務を果たしましたとはいえます。従業員より「えっ!聞いてないよ!」などと言われることもありません。問題ないです。
但しですが、ここで内容を「理解しているかどうか??」は全く別問題です。
そしてこれも繰り返しになりますが、就業規則について、まずその従業員が何か手当とか休日とかまたは極端な話会社と労争にでもならないと見ることはないですね。
(私も会社の人事や総務の方以外で、「就業規則の内容は把握している。」はほとんどお会いしたことがありません。更に人事や総務の方でも内容をお伺いしていると「怪しい」という方はかなりおりました(笑))

そして世の中のほとんどの就業規則の条文の記載は労基法通りかまたは「もやっ」と書かれている事が多いです。
そのため、従業員にしてみると教えても「なんとなく分かった」しか実は分かりません(笑) 
「それではしっかり細かく従業員の権利、義務そして禁止事項と記載したら良いのでは??」とか言う方がいらっしゃるかもしれませんし(笑)、実際そのように就業規則を「細かく記載して改定してくれないか??」と要望してきた企業もありました。確かに、会社にとってもその方が説明をし易いですしかつ会社としてもの方が従業員には説明し易いかもしれません。
そして実際そのように記載することも出来なくはありませんが、しかしこういった労務問題等は「似たようなケース」はあっても全く同じですよなどというケースはありません。そのため具体的に書けば書くほど、その時の事例と違うポイント等があると、かえって「つっこみどころ満載」となり(笑)、デメリットが実は大きいということが言えます。(何より、従業員が内容を理解できなくなります。)

以上、周知義務にはズバリ「限界」があります。なるべく就業規則の条文が問題を回避するにはそれではどうしたら良いの??
次回はそれについて具体的に私どもの事務所の考察を少々述べてみたいかなと思います。
それでは本日はここまで!

社会保険労務士東拓事務所

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