第2回目 実は普段相手にもされない就業規則の悲しき宿命 その2

就業規則のいろは ~とある社労士の独り言~

前回もお伝えしましたが、就業規則は入社や退社といった労務手続き関係、勤怠関係はじめ労務管理、そして給与計算上もその根拠となる上に、助成金の申請についても就業規則の添付を求められる助成金も多く(雇用関係助成金やテレワーク助成金等)、とにかく繰り返しますが、就業規則を元にいろいろな人事関係業務は動いている場面が多いといっても過言ではないというくらい重要な規則です!

が・・・

これほど重要かつしかも会社で働いていれば、人事や総務はおろか一般の従業員さへ知っている規定が、実はほとんど普段は相手にもされず、かつ中身については何が書かれているかさえ理解されてません。


その人事や総務の担当者でさへ、就業規則を意識するのは、まぁせいぜい慶弔だとか法改正くらいなもので、その人事や総務の方でさへ中身を正確に把握していない方も多くいらっしゃいます。
つまりは、重要でありながらも、普段は相手にもされないのが就業規則といえます。

と、ここまで記載してしまうと、就業規則の作成及び改定を生業としている社労士にとっては身も蓋もないのですが(笑)、しかしそんな就業規則が「今まで相手にもされなかったのは何なのか??」というくらい、思いっきりスポットライトを浴びて表舞台に立つ場面があります。それは、ズバリ、


労使間トラブルです。

助成金の申請にももちろん、就業規則が重要になるケースが多いのは事実ですが、これは助成金の申請は、ほとんどの助成金申請の際に、就業規則そのものが添付書類と必要となる上に、キャリアップ助成金(正社員化コース)などは、その条文そのものに転換ルールの定めが無くてはならないからです。
(余談ですが、キャリアップ助成金について、転換ルールがそのものの規定がないケースが多く、その際、慌てて改定するようなのがほとんどです。)
しかし、助成金の場合は、とにかく「助成金の申請の要件を受理するため」という会社がほとんどなので、その際就業規則を確認するといっても、会社の人事や総務のご担当者の一部が確認するのがせいぜいですし、そんな事情の時ですから、まぁ関連条文を確認するくらいなものなと思います(笑)

しかしですが、労使間トラブルの時は全く事情が異なります。
それこそ今までがなんだったとかというくらい会社側及び労働者側も血眼になって就業規則を確認し合います。

そのため、この状況の時だけは、めちゃくちゃ会社も労働者もそれこそ「条文何条に書かれているように・・・」などと本当に社労士顔負けの就業規則上のなんたらを抗弁し始めます(まぁもっともお互いその後ろには弁護士や社労士がついているのですが・・)。

もちろん、他の弁護士や社労士の方々の中には、就業規則について「トラブル防止のため」とか書かれているサイトも多くあります。
まぁそれで言うのであれば、今回私が投稿している内容も「えっ、結局就業規則の重要性については特に周りの弁護士と社労士と言っている事は変わらないじゃん!」と言われそうですが(笑)、私が就業規則の重要性を強調したいのは実は労使間トラブルの際に、就業規則が脚光を浴びるなどの話でもありません。

次回、この 「実は普段相手にもされない就業規則の悲しき宿命」の最終話として就業規則の「一番重要なところ」を皆様にお伝えしたいと思います。

社会保険労務士東拓事務所

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